“ヒルビリー”からの脱出
2017年4月29日 City Hunter
申し訳ありませんが、さっきまで見ていたテレビの
勢いのままに書くので、滅茶苦茶になってしまうかもしれませんが……
昨年のCH’定点観測で、トランプ大統領が誕生したら
米国籍を離脱すると息巻いていた我らがミック・エンジェル氏
http://d.hatena.ne.jp/chdash/20160507/1462568476
その悪夢が現実になったとき、彼はその考えを
実行に移したんでしょうか?
――そのときはまだ店主は気づいていませんでした
彼がリベラル側にいるように見えるのは上辺だけ
実は、その根はトランプ支持者ともつながっているのではないかと。
大統領選のさなか、アメリカで話題になっていると
日本のマスコミでも報じられた本『ヒルビリー・エレジー』
この「ヒルビリー」という言葉がもともと意味するのは
アパラチア山脈周辺に住むアイルランド系移民
すでにイングランドやドイツなどからの先住移民が
肥沃な平地を抑えていたために、農耕に適さない
山地に住まざるを得なかったニューカマー、ってことで
間違っていないでしょうか詳しい方。
そして、もともとは南部で小作農や炭鉱で働いていた
狭義のヒルビリーを含む貧しい白人たちが
産業構造の変化に伴いオハイオなどの中西部に移住し
そこで鉄鋼や自動車などの工場労働者になったものの
産業のグローバル化などによって工場は移転
その地は今や「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」と呼ばれ
取り残されたのは、かつてそこで働いていた人々や
その子供たちといった貧しい白人たち。
彼らの声は今まで政治にほとんど反映されてこなかったが
それを初めて掬い取ったのがトランプ、それが
彼の下剋上の最大の原因、というのがメディアの最大公約数かと。
で、ヒルビリーと呼ばれる人々の良からぬステレオタイプを
端的に表しているのが映画『脱出』らしい
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=5558
この辺のことは町山智浩氏のコラム
〈http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040529〉
の受け売りなのですが、(映画そのものは未見
つか続き読めば判るけど見る気しねぇ)
そこに描かれている彼らの姿というのは……
銃、密造酒、近親相姦(というのはにおわされているだけですが)
閉鎖的なコミュニティ……という何この偏見だらけ
だったらまだ秘境グンマーの方が可愛いもの【苦笑】
公開は1972年なので人種的ステレオタイプの扱いについては
過渡期なのかもしれませんけど、これをもし
舞台を先住民居留地に設定したら、今なら
先住民団体からの抗議があること間違いなし。
でもこのステレオタイプが今も絶版になることなく
流通してしまっているということが
絶対的な弱者ではないからこそ、声を上げられない
貧困白人層の政治的弱さを表しているんでしょうね。
さて、一方の我らがミックなのですが
名前(mick)からしてアイルランド系かなと勝手に踏んでいます
もっとも、あのキャラからしてイタリア系の血も引いてそうな気がするので
ここから先は、こういうところで語るよりも作中でさらっと触れる方が
いいんでしょうけれど……イタリア系マフィアのアイルランド系雇われヒットマンと
ボスの若い愛人(もちろんイタリア系)が恋に落ち、手を取り合ってゲッタウェイ
その二人の間に生まれたのが――なんてことを
何の根拠もなく妄想しています【爆】 そもそも彼の少年時代なんて
判っていることは、育ったところは狩猟が盛んで
12歳のときに初めて父親に狩りに連れて行ってもらった、ということぐらい
なので、ウェストヴァージニアあたりかと適当に当たりをつけていたのですが
そこがもしヒルビリーのコミュニティだったら、先祖は同胞同士の
ミック父を快く受け入れてくれただろうし
閉鎖性も匿う分には良いように働いたのかなと。
もちろん狩猟も彼らの生活の一部だったはず。
そしてその後――生々流転、紆余曲折あって
今は遠い日本でエセインテリのジャーナリストなんかやってるミックですが
他のインテリと違って、彼は貧しい白人の暮らしを
少年時代に目にしてきたから、トランプ現象を
受け入れがたくてもどこかで納得しているのかもしれません。
そのようなミックの立ち位置は、自分のそれとどこか似ているような気がして
というのも、これを夜中にカタカタやっているのも、その直前
NHKスーパープレゼンテーションで『ヒルビリー・エレジー』の著者
J.D.ヴァンスの話に大いに感銘を受けたからでして
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/pastprogram/170427.html
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20161114-00002588-ted
ツカミのところなんか、似たような感じのことはあったなぁと【苦笑】
イギリス文学なんてものをやっていたので、普通の日本人より
自分の属する“階級”に少々意識的でした
要は自分はワーキングクラスの生まれだと。
当然、家族の中で大学に進んだのも店主が初めて
そこで「おいおい、映画って暇つぶしに見に行くものかよ」みたいな【泣】
……生活圏内に映画館の無かった人間には判りませんて。
米大統領選後、白人貧困層=広義のヒルビリーについての記事が
ネットメディアにバタバタと出てきて、それを一読した感想が
――なんかどこかで見たような気がする
そう、店主のよく知るロードサイドのマイルドヤンキー層が
ぼんやりとしたイメージとしてではありますが
それと重なり合うように思えたのです。
そもそも“ロードサイド”の生活様式ってアメリカの田舎そのものですし
そこの閉塞感というのは店主も肌身で感じてきたもの。
でも――店主が子供の頃は、まだそういう暮らしでも
“中流”に踏みとどまれたんですよね、「中産階級」ではなくても。
お金は無くても教育というのが大切だとほとんどの親は思っていたし
子供には自分より上の学歴を身に付けさせようとしてきた。
けど、今のヤンキーな親は子供が「学校行きたくない」と言ったら
それを簡単に認めてはいないかと、自分も辞めたけど何とかなったからと。
個別指導の塾講やってましたけど、ちゃんとした子は
親の仕事もわりとちゃんとしたところで
ちゃんとしていない子は親もあんまりちゃんとしていなかったような……
その辺なんだよなぁ、「中流」と「下流」の分水嶺は。
かくして、大卒の親は大卒だけになり
高卒以下の子は高卒以下にとどまってしまう
そういう事態が日本でも起きていやしないかと。
その上、東芝やシャープなどの
企業の業績不振がニュースになるたび
そこの工場城下町の動向もしばしば取り上げられますけど
そこから工場が完全撤退しようものなら
その町もラストベルト化しかねない。
そうなったら日本人のヒルビリー化も免れられないでしょう。
そういう希望の無い世の中は嫌だなぁと店主は思うわけです
自分たちが、階層上昇に成功した最後の世代と言われたくないと
(それでも、ホワイトトラッシュ=白人の屑ならぬ
ホワイトカラートラッシュかもしれませんが;涙)
で、とりあえず『ヒルビリー・エレジー』は
邦訳がすでに出ているのでまずは読んでみないと。
あと、『脱出』とは全く違う「政治的に正し」そうなヒルビリー映画
『ウィンターズ・ボーン』〈http://www.wintersbone.jp/〉も見てみたい
やっぱりその辺を知った上で書いた方がいいのかなと思いますし……
って中米内戦のことも勉強しなきゃと、まずは基本文献的な
『わたしの名前はリゴベルタ・メンチュウ』すら手に取れてないのにorz
――って、勝手にそうやって原作穴埋めの名のもとに
My設定を増やしていくのも……とっつきづらいですかねぇ
もはやCHですらないのかも【号泣】
※それでも興味を持たれた方に、参考サイト
「トランプに熱狂する白人労働階級「ヒルビリー」の真実」NewsWeek
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2016/11/post-26.php
「日本人がまったく知らないアメリカの「負け犬白人」たち」現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50253
勢いのままに書くので、滅茶苦茶になってしまうかもしれませんが……
昨年のCH’定点観測で、トランプ大統領が誕生したら
米国籍を離脱すると息巻いていた我らがミック・エンジェル氏
http://d.hatena.ne.jp/chdash/20160507/1462568476
その悪夢が現実になったとき、彼はその考えを
実行に移したんでしょうか?
――そのときはまだ店主は気づいていませんでした
彼がリベラル側にいるように見えるのは上辺だけ
実は、その根はトランプ支持者ともつながっているのではないかと。
大統領選のさなか、アメリカで話題になっていると
日本のマスコミでも報じられた本『ヒルビリー・エレジー』
この「ヒルビリー」という言葉がもともと意味するのは
アパラチア山脈周辺に住むアイルランド系移民
すでにイングランドやドイツなどからの先住移民が
肥沃な平地を抑えていたために、農耕に適さない
山地に住まざるを得なかったニューカマー、ってことで
間違っていないでしょうか詳しい方。
そして、もともとは南部で小作農や炭鉱で働いていた
狭義のヒルビリーを含む貧しい白人たちが
産業構造の変化に伴いオハイオなどの中西部に移住し
そこで鉄鋼や自動車などの工場労働者になったものの
産業のグローバル化などによって工場は移転
その地は今や「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」と呼ばれ
取り残されたのは、かつてそこで働いていた人々や
その子供たちといった貧しい白人たち。
彼らの声は今まで政治にほとんど反映されてこなかったが
それを初めて掬い取ったのがトランプ、それが
彼の下剋上の最大の原因、というのがメディアの最大公約数かと。
で、ヒルビリーと呼ばれる人々の良からぬステレオタイプを
端的に表しているのが映画『脱出』らしい
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=5558
この辺のことは町山智浩氏のコラム
〈http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040529〉
の受け売りなのですが、(映画そのものは未見
つか続き読めば判るけど見る気しねぇ)
そこに描かれている彼らの姿というのは……
銃、密造酒、近親相姦(というのはにおわされているだけですが)
閉鎖的なコミュニティ……という何この偏見だらけ
だったらまだ秘境グンマーの方が可愛いもの【苦笑】
公開は1972年なので人種的ステレオタイプの扱いについては
過渡期なのかもしれませんけど、これをもし
舞台を先住民居留地に設定したら、今なら
先住民団体からの抗議があること間違いなし。
でもこのステレオタイプが今も絶版になることなく
流通してしまっているということが
絶対的な弱者ではないからこそ、声を上げられない
貧困白人層の政治的弱さを表しているんでしょうね。
さて、一方の我らがミックなのですが
名前(mick)からしてアイルランド系かなと勝手に踏んでいます
もっとも、あのキャラからしてイタリア系の血も引いてそうな気がするので
ここから先は、こういうところで語るよりも作中でさらっと触れる方が
いいんでしょうけれど……イタリア系マフィアのアイルランド系雇われヒットマンと
ボスの若い愛人(もちろんイタリア系)が恋に落ち、手を取り合ってゲッタウェイ
その二人の間に生まれたのが――なんてことを
何の根拠もなく妄想しています【爆】 そもそも彼の少年時代なんて
判っていることは、育ったところは狩猟が盛んで
12歳のときに初めて父親に狩りに連れて行ってもらった、ということぐらい
なので、ウェストヴァージニアあたりかと適当に当たりをつけていたのですが
そこがもしヒルビリーのコミュニティだったら、先祖は同胞同士の
ミック父を快く受け入れてくれただろうし
閉鎖性も匿う分には良いように働いたのかなと。
もちろん狩猟も彼らの生活の一部だったはず。
そしてその後――生々流転、紆余曲折あって
今は遠い日本でエセインテリのジャーナリストなんかやってるミックですが
他のインテリと違って、彼は貧しい白人の暮らしを
少年時代に目にしてきたから、トランプ現象を
受け入れがたくてもどこかで納得しているのかもしれません。
そのようなミックの立ち位置は、自分のそれとどこか似ているような気がして
というのも、これを夜中にカタカタやっているのも、その直前
NHKスーパープレゼンテーションで『ヒルビリー・エレジー』の著者
J.D.ヴァンスの話に大いに感銘を受けたからでして
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/pastprogram/170427.html
https://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20161114-00002588-ted
ツカミのところなんか、似たような感じのことはあったなぁと【苦笑】
イギリス文学なんてものをやっていたので、普通の日本人より
自分の属する“階級”に少々意識的でした
要は自分はワーキングクラスの生まれだと。
当然、家族の中で大学に進んだのも店主が初めて
そこで「おいおい、映画って暇つぶしに見に行くものかよ」みたいな【泣】
……生活圏内に映画館の無かった人間には判りませんて。
米大統領選後、白人貧困層=広義のヒルビリーについての記事が
ネットメディアにバタバタと出てきて、それを一読した感想が
――なんかどこかで見たような気がする
そう、店主のよく知るロードサイドのマイルドヤンキー層が
ぼんやりとしたイメージとしてではありますが
それと重なり合うように思えたのです。
そもそも“ロードサイド”の生活様式ってアメリカの田舎そのものですし
そこの閉塞感というのは店主も肌身で感じてきたもの。
でも――店主が子供の頃は、まだそういう暮らしでも
“中流”に踏みとどまれたんですよね、「中産階級」ではなくても。
お金は無くても教育というのが大切だとほとんどの親は思っていたし
子供には自分より上の学歴を身に付けさせようとしてきた。
けど、今のヤンキーな親は子供が「学校行きたくない」と言ったら
それを簡単に認めてはいないかと、自分も辞めたけど何とかなったからと。
個別指導の塾講やってましたけど、ちゃんとした子は
親の仕事もわりとちゃんとしたところで
ちゃんとしていない子は親もあんまりちゃんとしていなかったような……
その辺なんだよなぁ、「中流」と「下流」の分水嶺は。
かくして、大卒の親は大卒だけになり
高卒以下の子は高卒以下にとどまってしまう
そういう事態が日本でも起きていやしないかと。
その上、東芝やシャープなどの
企業の業績不振がニュースになるたび
そこの工場城下町の動向もしばしば取り上げられますけど
そこから工場が完全撤退しようものなら
その町もラストベルト化しかねない。
そうなったら日本人のヒルビリー化も免れられないでしょう。
そういう希望の無い世の中は嫌だなぁと店主は思うわけです
自分たちが、階層上昇に成功した最後の世代と言われたくないと
(それでも、ホワイトトラッシュ=白人の屑ならぬ
ホワイトカラートラッシュかもしれませんが;涙)
で、とりあえず『ヒルビリー・エレジー』は
邦訳がすでに出ているのでまずは読んでみないと。
あと、『脱出』とは全く違う「政治的に正し」そうなヒルビリー映画
『ウィンターズ・ボーン』〈http://www.wintersbone.jp/〉も見てみたい
やっぱりその辺を知った上で書いた方がいいのかなと思いますし……
って中米内戦のことも勉強しなきゃと、まずは基本文献的な
『わたしの名前はリゴベルタ・メンチュウ』すら手に取れてないのにorz
――って、勝手にそうやって原作穴埋めの名のもとに
My設定を増やしていくのも……とっつきづらいですかねぇ
もはやCHですらないのかも【号泣】
※それでも興味を持たれた方に、参考サイト
「トランプに熱狂する白人労働階級「ヒルビリー」の真実」NewsWeek
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2016/11/post-26.php
「日本人がまったく知らないアメリカの「負け犬白人」たち」現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50253
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