これは前々からやろうと思っていたネタです。
ただ、あんまりそういうことをネットに出してしまうのは
会社的にNGだったり、そうでなくても身元バレに繋がるので
おそらくはこれ一回きりにしないといけないのですが、
あまりにもこの手の仕事が知られていないので
とりあえず、幅広くこういう職種についてだけ
と言いつつ、うちの会社しか知らないのですが。

店主の仕事は一般的には「整理記者」と呼ばれています。
どういう仕事かというと……って探したらこんなのがあったので
それさえ読んでおけばとりあえず店主の拙い説明なんかより
よっぽどわかってもらえるかと↓
http://www.chunichi.co.jp/nie/make/2_1.html
って、いろんな意味でライバルなとこのHPなのがシャク【泣笑】
用語なんかは社によって違うので一概には言えないのですが
まぁ、一言でいってしまえば紙面のレイアウトをつけて
見出しを決めるのがウチらの役目になります。

そこで「えっ、見出しって記者が付けるんじゃないの!?」
と驚いた方も多いはず。まぁ確かにウチらも記者は記者なんですけど
取材記者と比べるとあまりにも知名度が低いのが少々がっかり。
例えば、新聞社を舞台にしたドラマなんかでも
整理担当って出てきた記憶がほとんど無いのですよ、
店主、お仕事系は好きでよく見ていたはずなのに←恋愛ドラマが全くダメ
阪神大震災および東日本大震災当時の地元紙の
ドキュメンタリードラマでも、取材や印刷、販売のことは
描かれていたのに、その間にある整理がすぽっと抜けていました……
編集が修羅場だったら同じくらい整理も修羅場だったはずなのに。
『クライマーズ・ハイ』も原作は読んだのですが
整理さんが出てた記憶が一切無い……orz
作者は上毛新聞の元記者だったのにぃ【泣】
辛うじて登場してたのがドラマ『タブロイド』で
京野ことみが演じていた整理さん。
まぁ、一般紙よりスポーツ紙や夕刊タブロイド紙なんかの方が
より整理記者の腕が問われるところはあるようですが
でもタブロイド紙とはいえたった一人で全ページは組めないだろ……
そんなわけで、どんな仕事をしているのか
他の業界に喩えていうと何に似ているのか
説明するのが非常にめんどくさい仕事でもあります。

でも、母曰く「一番あんたに向いてるんじゃない?」
そう言われれば、今までの自分の経験のあれこれが
いろんなところで役に立っているような気もしないでも。
一番役に立ったのは「蛟 游茗」としての経験でしょう【爆】
サイトのレイアウトとかとは全く勝手は違いますが
文章の体裁をいじくる際の仕組みはHTMLみたいな感じなので
それを直接触る感覚でやればいろいろ手っ取り早いわけです。
こればっかはブログやツイッター世代には判るまいw
また、見出しのフォントで語感を伝えるというのは
サイトでもタイトルのフォント選びで考えていることと同じような。
でも、見出し付けそのものはここの日記でもよくやりますが
敢えて煙に巻く癖は新聞ではやってはいけません【苦笑】

また「蛟 游茗」以外でも、文章を斜め読みして要点を拾ったり
専門外の判らない文章でも論理の構成を繋ぎ合わせて
なんとか意味を理解しようとする技術は、大学受験の現代文以来
大学でもやたら難しい論文を数読むうちに
身につけていかざるを得なかったものでしたし、
何にでも首を突っ込んでいった結果身につけた幅広いムダ知識は
見出しをつけたり、記事中の間違いを指摘したりする際にも
有れば無いよりは役に立っているものと思います。
ただ、知識があるばっかりにマニアックな見出しを付けちゃいけませんが。
そうそう、専門の校閲さんが付くところもありますが
取材サイドと整理でも間違い探しをやらなきゃいけないんですよ。
その辺はダイレクトに前職の経験が活きてますw
意外とあるんですよね、」はあるのに「が無かったり
「同社」とあるのにその前をいくら探しても社名が見つからないとか。
それより何より役に立っているのは、小学生の頃から
活字中毒の“主食”として、毎日目を通しているうちに
新聞というものの言い回しが血肉になっているという蓄積でしょう。
伊達に25年近く読んではいません。

一方で、先輩の方から「本当は書くのがやりたかったんでしょ?」
などと見透かされてしまうこともありますが
自分の文章を人に読ませることの難しさというのは
こんな過疎サイト運営で骨身に沁みて判っています【涙】
もちろん、給料もらって文章修業ができるチャンスと
考えることもできますが、この年で支局勤務から
やり直すなんて考えたくもないです。
それに、署名記事をばんと世に出すより
読者のほとんどが誰が付けている書きにしないような見出しで
一つくらいはうまいこと言えないかとこそこそ考えてるくらいが
自分にとってちょうどいいんじゃないんでしょうか。

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というわけで、直接関係ないんですが定点観測upしました。
実は、ネット上でこんなものを見つけてしまいまして
 『整理記者死亡かるた』http://www.chunichi.co.jp/nie/make/2_1.html
先述のリンクを読まなきゃほとんどの方には
というか読んでもほとんどの方は判らないネタばかりですが
同業としては笑いながら泣くしかないようなシチュ満載で
これが判る方はぜひお友達になってください【笑】

同期に聞けば、まさにそういうシチュエーションを夢に見るそうです。
締切15分前なのに原稿が一本も来ないだとか
逆に全部入れようとしたらどう見ても
この倍のスペースは必要だとか←あるある
でも、そういう悪夢を店主、まだ見たことはないのですよ。
そもそも夢をあまり見ない、見ても覚えてない方ではありますが
嫌な夢はそれでも記憶に残らざるを得ませんし
それでも覚えてないんだったら見てもいないんじゃなかろうかと。

考えてみれば、そんな悪夢どうってことないんですよ
どっちにしても自分の責任じゃないんですし
原稿を送ってこないorき過ぎる出稿側が悪い【爆】
取り直しなんて怖くない、訂正お詫びいつか行く道
ってまだ店主もそれは通ったことはないですが。
それに比べれば、店主のそれまでの実人生の方が
悪い夢以外の何ものでもないんじゃないでしょうか。
学校でクラス全員加害者か傍観者ないじめに遭い、
(担任すら何もしてくれなかった)
そこから抜け出し、多少は人間関係を築けるようになったかと思ったら
自分の陰口の現場に居合わせたのは二度三度にとどまらず、
無二の“親友”だった妹を亡くし、
重要メールがなぜか迷惑メールに分類されてしまっていたせいで
結果、積み上げてきたキャリアを棒に振り←何このリアルナイトメア(ToT)
博士課程中退という中途半端な学歴で就活する羽目になり、
入った会社が実はけっこうブラックでいきなり新卒切り
そして2つ上の行に戻るって、その一つひとつだけでも充分結構な悪夢
それが目が覚めても「あー夢だったぁ」ってならないんだからもう最悪。
そう考えれば、よくある整理記者の悪夢なんて
とるに足らないことにように思えるのは店主だけでしょうか?

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