こんな夜中にこんばんわ【笑】
シアーズ・ローバック・カタログが遠路はるばるアメリカから
届きましたよー!ということで
本体価格が中古でざっと$20、送料が$25
なんてことは日本でもアマゾンの1円古本なんかでよくあること。

一足先に届いていた写真の本なのですが
この手の本で¥1,680はお買い得!
いわゆるファッションプレートの本は図書館などで
よく見かけたりしますが、ハードカバーなのもあるんでしょうけど
同じくらいの厚さで倍はしますもの【泣】
ちょうどこの本を書店で見かけたのは、板橋の美術館でやってた
やはりファッションプレートの展覧会の帰りでした。
図録も興味があったのですが、時代が19世紀からのも含めてだったので
半分以上は要らないかなと思ったのと、やはり値段が……
仕方なく、気に入ったイラストの絵ハガキを厳選して
自分へのお土産にしましたが、それ10枚ちょっとのお値段で
この本1冊買えるんですから、結構なコスパw
でも、アールデコと言いながら2/3近くが
1910年代の、いわばモダンガール以前のもの。
まぁ、コルセットの否定というパラダイムシフトがあって
それが20年代のスタイルに繋がっているのだから無視はできないのですが
やっぱりフラッパー・モードと比べるとなんか違和感が。

といってもこれらは現代でいえば『VOGUE』的なもので
それを実際に当時の一般の女性たちが着ていたかというと
今年のパリコレをそのままストリートの流行と早合点するようなものw
その点が判るかなと思ったのがシアーズのカタログだったわけなのですが
こっちは30年代なのですけれど、1930年発行の婦人服のページが
20年代の流行を引きずった感じなのが妙に納得。
そこからまたそれとは違った30年代のモードになっていくのですが
それ以外にも、家具や自転車、子供のおもちゃなど
その当時の家の中にあったであろうものが網羅されているのを見ると
ちょうど今、サム・スペードものを読んでいたりするのですが
それだけでもイメージがより鮮明になってきます。
しかも、洗濯機(!)とか冷蔵庫(!!)とかまで載っているんですから
これ戦前ですよ!どこまで庶民に手の届くものなのか
ちょっとお値段の数字を比較してみなければ判らないのですけど
やっぱりアメリカ豊かだなぁと思い知らされました。

そんな中でも変遷という点で気になったのが女性用下着【笑】
ブラジャーが掲載されたのは1931年から、って
あくまでダイジェスト版なので30年のに載っていても
敢えて収録はされていなかったのかもしれませんが
少なくとも、その年のコルセットのページでは
上半身はキャミソールっぽいのだけなので、やはりこの年が
ブラジャーの紀元ということでしょうね。
ただ……コルセット(というか腰まで覆うウエストニッパーというか
クロッチさえつけばもう一歩でロングウエストのガードルというか)
は30年代をほぼ通して販売されていたようですが
あれってお手洗いのときどうしていたんでしょうね?
腰まで覆われていて、なおかつガーターベルトの代わりもしているので
用を足すときはストッキング止めのクリップを外して
コルセットを捲り上げてパンツ(というか当時はズロース?)
を下ろしていたのでしょうか?うーむ……
ちなみにパンツは36年になって初めて登場。
それ以前もカタログには載っていたのに割愛されていたのか
それとも商品としては取り扱っていなかったんでしょうか?

それよりも、全ページを通して記述が無かったのは男性用下着。
実はそっちの方が自分としてはより知りたかったり。
文献が無いんですよねぇ、意外と。
なので一次資料から当たってみたかったんですが
これまた扱ってなかったのか、それともこの本の編者が
「こんなもん見たかないだろ」と勝手に載せなかったのか。
それは先述の文献の少なさと同じ理由なんでしょうけど
女性の下着は「見られるもの」であるがゆえに
「語られるもの」なんでしょうけど
男性のそれはそういう視線から免れてる気が、
と思うのは少々フェミニスト的ですかねぇ。
女性下着研究者はもっぱら女性なんですけれども
それも、男性のフェティッシュの眼に晒されていたものを
自分たちの手に取り戻そうというリブ的な目的も無きにしも非ず。
でも男たちはずっと「見る」主体であったわけで
それゆえ彼らが身につけていた下着も
当然ながらその視野には入らなかったわけで。
『マルタの鷹』ではサム・スペードがユニオンスーツ
(要するにロンパース;爆)を身につけている記述があって
それに結構萎えてしまったのですが、ちょうど上下が分離する
ぎりぎりの時代だったようですね、当時は
Wikipediaで調べた程度なのですが。
それだけでは埒が明かないので、仕方なく調べようがあるものをと
当時の日本の状況などをwikiで跳びながら見てみましたが
すでに戦前から猿股がメジャーだったようです、
兵隊にとられると褌が制服だったようですが。
猿股といってもぴんと来ないかもしれませんが
股引の短いやつというか、お祭りで法被の下に穿いている
アレといえばお判りかと(締め込みじゃない方;笑)
現在はかなりボクサーパンツが優勢になってきていますが
実は先祖返りしているだけのように思うのは店主だけでしょうかw

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