ども、遅番続きでどうしようもなくて
とうとう眠くなるお薬に手を出してしまったゆーめいです【爆】
寝つきが悪くて困っていたのは前にも書きましたが
薬に頼る前に、もうちょっと身体に優しい手段を
試してみるべきだったのかもしれません、アロマテラピーとかね。
でも、自分にとって効くかどうかギャンブルなものよりは
ある程度科学的データの蓄積があるものの方が確かだし、
意外とそっちの方が高くついてしまいますし【苦笑】
使っているのはマイスリーという睡眠導入剤
前述のとおり「眠くなる」だけのお薬で
効果は基本的に長引かないタイプ(ハルシオンもそうらしい)
しかも、副作用もそんなに無いそうな。
それでも半錠づついつものアレロックと飲んでますが
(そういや抗アレルギー剤飲んでも眠くならないんだよねぇ……)
始めたその日からすとんと眠れるようになりました。
もちろん、布団の中であれやこれや考えることはありますが
気がつけば寝落ちしている、という以前とほぼ同じ状態。
とりあえず遅番が続く間はこれにお願いすることにして
また早番になったら控えてみるようにしてみます。

って、本題はこれじゃないんだわ【笑】
そんなどうしようもない日々の数少ない楽しみが読書なわけですが
最近、暇つぶしで手に取ったのがダシール・ハメット『マルタの鷹
とあるコラムで「ハードボイルドの元祖」として
取り上げられていたので、CH二次書きと端くれとして
ジャンルに敬意を表さねばと思い、手を出してみました。
まさに元祖というだけあって、これ以後の
「ザ・ハードボイルド」というものの定型は
ほぼこの中に現れているのではないでしょうか。
敵か味方か判らない、謎めいた依頼人の美女しかり
(でも後世思い描く“ファム・ファタール”的キャラとは
少々毛色が違うので面喰うかもしれない)
主人公が彼女を美味しく頂いちゃうのもしかり【爆】

けれども一方で、この作品が嚆矢のはずなのに
それ以後ジャンルとして受け継がれてはいない「伝統」も。
『マルタの鷹』のヒロインは決してその依頼人の美女
ブリジットではないのですよ。
むしろ探偵サム・スペードの忠実にして有能なる秘書
エフィ・ピライン嬢であると声を大にして言いたい!
まぁ、カプ萌えカオリストの先入観ありありで
読み進めていったのは事実ではあります。
細身で日に焼けた健康的な、そしてどこかボーイッシュ。
作中では殺された相棒(といっても槇兄のような親友ではなく
さっさとパートナーを解消したいと思っているような)
の妻に
夫の死を“代わりに”伝えるよう頼まれたり、
隠れ家を嗅ぎつけられたブリジットを匿うようお願いされたりと
いろいろ重要なことを頼まれたりもしています。
そして何より萌えたのは、スペードが悪人に一服盛られて
12時間もの間昏倒させられていたにもかかわらず、
その間連絡があるまで留守番していてくれとの言いつけを守って
朝まで事務所で、自分のコートの上に彼のコートを羽織って
寝落ちしてしまいながらも彼を待ち続けた
エフィ嬢でしょう【泣】
CH二次ならド定番の萌えツボですから、ここは!

それでも一般読者にとってはただのパセリ扱いだろと覚悟していました。
ブリジットのことをすんなりと信じてしまうし
そういう「おつむの足りないカワイ子ちゃん」キャラなんだろうと。
スペードもエフィのことをたびたび「天使さん」だの
「僕の可愛い人」などと呼んでいますけれども、
英語でそう呼ぶシチュエーションを考えてみると
逆に軽くそう言われているような気がして。
でも、コアなミステリファンの間でも
彼女は決して添え物ではないようなのですよね。
その一例として、↓を読んでいただければその愛情が判るかと
http://luj.g.ribbon.to/html/articles20_secretary.html
でも「探偵と“部下以上恋人未満”な美人助手」というパターンは
それ以後決して定着したとはいえないのが個人的に残念ではあります。
現代ハードボイルドを代表するスペンサー・シリーズでも
ヒロインのスーザンはどちらかといえば独立した女性ですし
敢えて言えば、ハードボイルドじゃないですが
弁護士ペリー・メイスンシリーズの秘書のデラが近いのかな。
それが何の因果か80年代の日本の少年マンガにおいて
少々邪道なハードボイルド・ラヴコメディで復活してしまったというか【笑】
もっとも、日本におけるその手のカップリングの系譜は
ブラックジャック辺りにまで遡るまた別の流れがあって、と
話せば長くなりそうなのですがw

サム・スペードシリーズの長編はこの1本だけなのですが
短編集にもエフィは登場しますし
その前日譚といえる、いわゆるパスティーシュ作品である
ジョー・ゴアズ『スペード&アーチャー探偵事務所』では
彼女が採用される経緯が描かれた短編も。
これは「エフィたん萌え」【笑】としては併せて読まねば。
――そういえば、CH昭和モダンパラレルでは
敢えて苦手としていた「オフィスラヴもの」に挑戦しようと思ったのだけど
この時代ってアメリカではまさにハードボイルドの時代だったんですよねぇ。
『マルタの鷹』は1930年、フィリップ・マーロウはほぼその10年後ですし……

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