店主にとって駄文を書くということは
舞台を作ることに似ていると思うのは
店主が高校時代、演劇部だったからなのでしょうか。
まぁ、そんな喩えを使っても
実際に演劇やった人くらいしか判らないとは思いますが。

段取りとしては、まず台本が必要ですが
出来た台本に従って役者が稽古を積み重ねていきます。
そこでは必ずしも台本のとおりというわけでなく
役者がぽんぽん即興でアイディアを出していって
徐々に劇らしい形になっていきます。
いわゆる「登場人物が勝手に動く」というやつですね。
特に店主はへっぽこ座付き作家なもので
だいたいのプロットと結末しか決めてなかったりしますし
そのプロットですら、歌詞だったり既存の物語から
頂いちゃったりしています。

そして、まさに役者が稽古を繰り返すように
何度も何度も頭の中でシーンを練り直していきます。
何度繰り返しても、そのシーンがありありと
情景や内面を表す言葉とともに、ある一定のレベルで
再生できるようになったときに初めて
それをようやく形にする段階に入ります。

映画でも何度もリハーサルを繰り返しますが
それをあえて舞台づくりに喩えたのは
執筆は自分にとって一発勝負だからです。
出来が気に入らなくてもテイク2、テイク3は基本的にありません。
そのときの集中力、脳内映像を言語化する精度
それをどれだけ見落としなしに言葉にできるかという密度
そして体力を含めて、万全の態勢で臨まなければなりません。
はっきりいって、ただのセリフの羅列に過ぎなくても
それはそれで完成形にするしかないのです。

さて、執筆と舞台との大きな違いは
舞台は上演日がすでに決まっているということです。
その初日に向けて時間を逆算して仕上げていかないといけません。
一方の駄文書きは、これはもう仕事というわけではないので
自分の中で満足できる完成度に辿り着くまで
いくらでも“稽古”を繰り重ねることができるというわけです。
ですが……アンソロは締切りがあるのよねぇ【泣】
もう1ヶ月切っちまいました(ToT)
でもまだ、ウチの劇団員【笑】は稽古半ばの状態で
そのまま板に乗せるのは無謀だと演出としては憂いています。
なんとか急ピッチで仕上げて、各自万全のコンディションで
上演したいと思っているのですが……
結局はこのへっぽこ脚本兼演出兼座長次第ですか【涙】

コメント

日記内を検索