響け、夏詩

2012年8月9日 TUBE
http://www.uta-net.com/song/131427/

今年のTUBEのアルバム“SUMMER ADDICTION”からの
バラードナンバーです。
これは聴くたびに涙ぐんでしまう、好き嫌いを超えた
『何か』を感じさせる曲です。
ライナーノーツには「故郷を追われた者達の哀しみ」なんて
かなり対象を限定させるような言葉が載っていましたが
店主の中で重ね合わさったのは、自分たち30代以降の女性でした。
たまたま、以前ネットで30代女性についての記事を
読んだのが思い出されたのかもしれませんが。
http://mainichi.jp/feature/news/20120217mog00m100999000c3.html

高校・大学と似たような人生を送ってきたはずなのに
気がつけば結婚したり子供が生まれたり、まだ独身で働いてたりと
いつの間にかみんなバラバラ。
共通の話題も見つからず、それどころか自由になる時間も違い
お互いに無いものねだりで孤独と疎外感に苛まれ……
そんな「別れの理由(わけ)」=「母」や「キャリアウーマン」
「派遣」といった、それぞれを隔てる肩書きを忘れて
たまには、あの頃を思い出してみないかと
歌っているような気がするのです。
遠くに――物理的にも、心理的にも――いるかつての仲間も
同じようにあの頃を思い出しているはずと。

「幸せの意味」――自分たちにとってこれほど
突き刺さる言葉は無いのではないでしょうか。
それは仕事を通して自分の夢を叶えることか
それとも家族に包まれ暮らすことか
でも、あの頃はそんなことを考える間もないほど
今が幸せで不幸だったような気がする。

でも、自分たちの住んでいる世界は思っているほど
――例えば、昼と夜ほど――かけ離れているわけじゃない。
「君が月なら 僕は寄り添い輝く星さ」
同じ夜空に光るもの同士、反発しあうのではなく
手を取り合っていけば、世の中をちょっぴり良くすることだってできる。

「いつか変わる」――その「いつか」っていうのは
卑近な話では、母親組の子供たちが手を離れてからなのかもしれない。
そうすれば独身組、子無し組と同じように逢ってお茶することもできる。
でも――理想論を言わせてもらえば、
それはきっと、女性が「母」とか「妻」などとして分断されるのではなく
「女同士」として未婚・既婚、子供の有無を超えて
付き合い続けていける世の中が実現したとき。
男はいつまでたっても「男同士」なのにね。

「夏」という言葉は決して特定の季節を意味しているわけではないし
「海」だってそう、それらは「青春」とイコールだ。
いつでもここで夏=青春を歌い続けている「僕」だって
ぶっちゃけTUBEでなくたってかまわない、
かつての仲間たちを繋ぎ続ける
そして時折あの頃を思い出させる何か。
それはみんなの胸にも響いているのだろうか
それとも、そんなセンチメンタルなことを言っているのは自分だけで
みんなあの頃のことを忘れて、今目の前の仕事だったり
家族だったりで精一杯なのだろうか。

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