実は店主が読んだのは、この本の旧版(86年初版・晶文社刊)
図書館で『新宿ゴールデン街』なんてタイトルの本を見かけたら
CHファンとして借りないわけにはいかないじゃないですか!
しかも86年の本ですから、ちょうど原作が始まった頃。
今でこそ新しい店がいろいろと出来て
若いお客さんが集まりつつありますが、
それよりも前の、唐十郎と藤圭子の70年代も終わり
バブルと再開発で風前の灯となりつつあった
当時のゴールデン街を描いたこの本は
CH二次を書く上で大いに参考になるはず。
でもまさか、この当時からは今のゴールデン街・ルネッサンスおよび
「落ちぶれ、行方さえ分からなくな」った藤圭子の娘が
今でこそ活動休止中ではありますが
ポップスターとして大ブレイクするだなんて
想像もつかなかっただろうなぁ【笑】
この母娘のことはCH’のネタにしても面白いかも。

ゴールデン街のみならず、歓楽街・新宿としての歴史を語るには
店主も『新宿仕手犯科帳』(仮)でやろうとしていますが
内藤新宿の昔から振り返らなければならないわけで
そこから明治から戦前昭和にかけての遊郭
そして戦後、昭和33年の売春防止法までの
『青線地帯』としての現・ゴールデン街に至るまで
この街の本質のいかに変わらないことか【泣】
だからこその『新宿の種馬』冴羽撩の庭なんでしょうけど。
ちなみに本の中で、いわゆる「ちょんの間」だった頃の部屋が
写真つきで紹介されていますが、界隈の多くの飲み屋が
その当時の建物のまま営業していたそうです。
しかも、そこの小料理屋の女将さんだったりが
かつての青線の女の子だったり“やり手婆”だったり……
まだこの頃は戦争が終わって40年ちょっと、
そんな形で“戦後”というのが未だ続いてたのか。

通りに気だるげに座り込んでいる
お姉さん以上小母さん未満の『キャッチ』と呼ばれる客引き
おおよそ「人間のトイレ」とは思えない店のお手洗い
都庁移転に湧き立つバブルの空気から取り残されてしまったかのような街……
そんな雰囲気にも撩がやはり馴染んでしまうのは
ゴールデン街の方が歌舞伎町より
六丁目のサエバアパートにとってご近所だから、
というだけではないはず。
そういう雰囲気は行ってみればさらによく感じられるのでしょうけど
昔ほどではないといえ、まだちょっと怖いなと思いますし
そもそも飲むとその後の自分が保証できないからなぁ【泣】
それに、今行ってみたところでそこは
80年代のゴールデン街ではありませんから。
ま、行けなければ行けないなりに
せっせとこうして資料収集に努めるのも
無駄な努力ではないと信じつつ。

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