お勉強にならないギリシア神話
2012年4月23日 映画 コメント (2)
今回の日曜洋画劇場は
新作『タイタンの逆襲』の宣伝なんでしょうけど
『聖闘士星矢Ω』の番宣かと思ったのは
店主だけでしょうか。
メインキャラである青銅聖闘士の中で
ペルセウス伝説関係が
ペガサスとアンドロメダの二人もいますし
もちろんその両方とも『タイタンの戦い』にも出ています。
でも……それをきっかけに
神話ヲタクへの道を歩みだした店主にとって
ツッコミどころも多々ありました。
まず、ケフェウス王が治めるのはアルゴスではなくエチオピア。
まぁこの辺は、映像化にあたって物語をコンパクトにまとめるためにも
よくある脚色であり、許容範囲のうちかと。
あと、アクリシオス(こっちはちゃんとアルゴスの王)は
ペルセウスの義父ではなく実の祖父です。
そもそもは王が「自分の孫に殺される」という神託を恐れて
一人娘のダナエを閉じ込めてしまうんですよね。
でもその美しさに惹かれたゼウスが『黄金の雨』になって
彼女のもとに忍び込み、生まれたのがペルセウスというわけです。
で、実際に王はペルセウスに殺されてしまいます
ほとんど不幸な事故(円盤投げの円盤に当たる)で。
ちなみに、夫の姿に化けてまんまと寝取ったというのは
同じくギリシア神話を代表する英雄、ヘラクレスの生い立ち。
はてさて、映画では彼を導く存在として
イオという女性が登場しましたが、誰?
神話だとゼウスに犯された上に牛の姿に変えられた上に
各地を彷徨わされた可哀そうな女性です【泣】
一方で、神話上のペルセウスの冒険には
西遊記の観音菩薩のように常にアテナの守護があり
そういう意味では彼こそ聖闘士のはしりだったわけですが【笑】
つまりはイオのポジションこそアテナだったんじゃないか?
それと、カップリングはやっぱりペルセウス×アンドロメダじゃないと。
いくらこっちでは手を出さなかったとはいえ
自分の言い寄った女を息子にくれてやるかね【爆】
決定的なツッコミとしましては、ラストで
神話どおりアンドロメダが生贄にされるシーン、
彼女の手首を繋いでいるのが鎖ではなくロープ。
そこはチェーンだろ!?と叫びたくなったのは
聖闘士星矢世代だけではないでしょう。
アルゴスの街を襲った怪物クラーケンも
もともとは北欧の民間伝承上の怪物でギリシア関係なし。
ジンというのもイスラムの妖精で
(『アラジン』のランプの精の名前がジーニーなのも「ジン」から)
だから中東風の格好をしていたんでしょうけど
ギリシア神話ネタだったらギリシアだけで完結してくれないと。
だからといってイオみたいな無関係なキャラ入れられても困りますが。
そんなわけで、たぶん元ネタを知らない人がこれを見たら
原作を読んで「あれ?」と思うところは多々あったはず。
なんてグチグチ言ってると、いわゆる『原作厨』と同じになってしまいますが
知っている人にしかできない楽しみ方も。
オリンポスのシーンで十二神(たぶん)が輪になっていましたが
あのイケメンはおそらくアポロンだろうし
モデル座りしていた美女はアフロディーテに違いないし
ゼウスにペルセウスのことをご注進に来たのはヘルメスかと。
ちゃんとそれとして登場したのがゼウスとハデスのみだったのが少々残念。
そして星矢世代=80年代アニメで育った人たちにとってもお楽しみが。
内海賢二と千葉繁、データ放送にもクレジットされていませんでしたが
この声は聞いただけで判りますよ、特に千葉さんのあのハイテンションは【笑】
思わず「北斗の拳かよ」と突っ込みたくなりました。
にしては一人足りないんですけどね……。
新作『タイタンの逆襲』の宣伝なんでしょうけど
『聖闘士星矢Ω』の番宣かと思ったのは
店主だけでしょうか。
メインキャラである青銅聖闘士の中で
ペルセウス伝説関係が
ペガサスとアンドロメダの二人もいますし
もちろんその両方とも『タイタンの戦い』にも出ています。
でも……それをきっかけに
神話ヲタクへの道を歩みだした店主にとって
ツッコミどころも多々ありました。
まず、ケフェウス王が治めるのはアルゴスではなくエチオピア。
まぁこの辺は、映像化にあたって物語をコンパクトにまとめるためにも
よくある脚色であり、許容範囲のうちかと。
あと、アクリシオス(こっちはちゃんとアルゴスの王)は
ペルセウスの義父ではなく実の祖父です。
そもそもは王が「自分の孫に殺される」という神託を恐れて
一人娘のダナエを閉じ込めてしまうんですよね。
でもその美しさに惹かれたゼウスが『黄金の雨』になって
彼女のもとに忍び込み、生まれたのがペルセウスというわけです。
で、実際に王はペルセウスに殺されてしまいます
ほとんど不幸な事故(円盤投げの円盤に当たる)で。
ちなみに、夫の姿に化けてまんまと寝取ったというのは
同じくギリシア神話を代表する英雄、ヘラクレスの生い立ち。
はてさて、映画では彼を導く存在として
イオという女性が登場しましたが、誰?
神話だとゼウスに犯された上に牛の姿に変えられた上に
各地を彷徨わされた可哀そうな女性です【泣】
一方で、神話上のペルセウスの冒険には
西遊記の観音菩薩のように常にアテナの守護があり
そういう意味では彼こそ聖闘士のはしりだったわけですが【笑】
つまりはイオのポジションこそアテナだったんじゃないか?
それと、カップリングはやっぱりペルセウス×アンドロメダじゃないと。
いくらこっちでは手を出さなかったとはいえ
自分の言い寄った女を息子にくれてやるかね【爆】
決定的なツッコミとしましては、ラストで
神話どおりアンドロメダが生贄にされるシーン、
彼女の手首を繋いでいるのが鎖ではなくロープ。
そこはチェーンだろ!?と叫びたくなったのは
聖闘士星矢世代だけではないでしょう。
アルゴスの街を襲った怪物クラーケンも
もともとは北欧の民間伝承上の怪物でギリシア関係なし。
ジンというのもイスラムの妖精で
(『アラジン』のランプの精の名前がジーニーなのも「ジン」から)
だから中東風の格好をしていたんでしょうけど
ギリシア神話ネタだったらギリシアだけで完結してくれないと。
だからといってイオみたいな無関係なキャラ入れられても困りますが。
そんなわけで、たぶん元ネタを知らない人がこれを見たら
原作を読んで「あれ?」と思うところは多々あったはず。
なんてグチグチ言ってると、いわゆる『原作厨』と同じになってしまいますが
知っている人にしかできない楽しみ方も。
オリンポスのシーンで十二神(たぶん)が輪になっていましたが
あのイケメンはおそらくアポロンだろうし
モデル座りしていた美女はアフロディーテに違いないし
ゼウスにペルセウスのことをご注進に来たのはヘルメスかと。
ちゃんとそれとして登場したのがゼウスとハデスのみだったのが少々残念。
そして星矢世代=80年代アニメで育った人たちにとってもお楽しみが。
内海賢二と千葉繁、データ放送にもクレジットされていませんでしたが
この声は聞いただけで判りますよ、特に千葉さんのあのハイテンションは【笑】
思わず「北斗の拳かよ」と突っ込みたくなりました。
にしては一人足りないんですけどね……。
コメント
イオ大事なんですよー。この人がいないと、エジプトのイシス神に繋がらないし、プロメテウスも出てこなくなっちゃうので・・・
絵画の題材では、メジャーな人でもあります。
ゼウスが悪いんですが、ヘラの嫉妬が放浪の元なので、美人で割食った一人です。
神話は、ギリシャから派生してるとはいえ、ローマやエジプトや、ごちゃごちゃに入り乱れてるので、混乱しちゃうし。そこが面白かったりもするんですけどね。
ま、自分の妻を息子に~とか、その逆とか・・・深く考えちゃうと、それどうよ!ってもっこり関係ばっかりでもあるので、映画や何かにするとどう解釈するかによって色々出来るのは面白いし、嵌っていくきっかけにはもってこいなのが神話であるって感じですよね~。
年寄り扱いされますよ、もう【苦笑】
自分が神話にハマったきっかけが星座がらみのギリシア神話で
(天文学の図鑑でも伝説関係のページばっかり見てたw)
じゃあそれをさかのぼると、となると星矢なんですよね。
最近、自分の星座の黄金聖闘士のアイオリアの声が
田中秀幸さんだと知ってけっこう嬉しかったです。
>イオ
うーん、でもペルセウス伝説と直接関係ないですよねぇ。
アテナの代理人という立場だったら、せめて彼女と関係のあるキャラ
(アラクネとかアタランテとか)にすればよかったのに。
イオ=イシスも、アフロディーテ≒中東のイシュタル≒北欧のフレイヤと違って
こじつけというか、ギリシア人の無理やり感があるような。
エジプト神話の方が当然古い歴史があるわけですし
北欧や中東と違って全く別系統の神話なので
文化的侵略の匂いというか「さぁエジプトの民よ、
そなたらの崇めるイシスの女神も元は我らギリシアの神なのだ。
ゆえにわれらの神々を崇めよ~」のような。
ギリシア神話ネタの“二次”では星矢も含めて
黄泉の王ということでハデスが悪役にされることが多いですが
ペルセウスにしても、ギリシア最大の英雄ヘラクレスにしたって
悪役といえるのは実はヘラですよね、
その文字どおり『タネ』を蒔いたのは女好きのゼウスなんですが【爆】
でも、彼女が悪役っていうネタはあまり聞かないような……