被災地に行ってきました

といっても地震速報でおなじみの福島県中通りなので
（福島特有の地域分けというのは皆さまもうご存知ですよね？）
浜通りで被災された方が避難してきている側です。
母が、高速道路が1000円のうちに実家に行ってこようというので
便乗して里帰りしてきました。
ニュースで被災者へのインタビューで福島訛りを聞くたびに
祖母や伯母たちの声が聞きたくなったもので。

もう100日が経ち、それほど被害の大きくなかった中通りでは
震災の爪痕というのはそれほど感じなかったのですが
唯一の例外だったのが祖父の眠る墓地。
山を切り崩して、斜面を埋めたところだそうなので
地盤が緩く、墓石がことごとく倒れていました。
幸いにも祖父のお墓は卒塔婆立てが倒れ
卒塔婆が折れただけで済みましたが
他はお地蔵さんの首だけが折れていたり……【泣】
震度６の被害はやはり甚大なものでした。

先日、福島にとどまりながら詩を書き続けている詩人の方を
テレビで知って、その言葉に改めて実感しました
店主の――私の根は福島に繋がっていると。

店主は栃木県出身ではありますが
「栃木生まれ」という言葉は慎重に避け続けてきました。
店主が生まれたのは母の実家のある福島の病院
そう戸籍にも記されています。
なので、どこか福島に対して母の実家という以上に
思い入れが深いのかもしれません。
そこが私の生まれ故郷なのですから。

だから震災、特に原発関連の報道には胸を痛めざるを得ません。
向こうでも放射線量の話が出ていましたが
0.5マイクロシーベルトでも「前より良くなった」というのですから
0.0いくつで大騒ぎしている関東の人間が
苦々しくてなりません。
ましてや「今後30年間福島には人が住めない」などとほざくマスコミは
そこに今も住む中通りおよび会津の人たち
そして「避難するならできるだけ近いところに」と
県内にとどまり続ける浜通りの被災者たちの気持ちを
一体どれだけ考えているのだろうか？

とりあえず言いたいのは「震災をスキャンダルにするな」
そうやって徒に不安を煽り続けることはもう止めてほしい
今もまだそこに住む人たちの生活があるのだから。
したり顔で政府の無策を語る人たちも。
それよりは、そこにいる人たちがどうすれば笑顔になれるかを。
店主にできることは、こっちで頑張って仕事して
祖母たちに「ああ、ゆーちゃん元気でやってるな」と
思ってもらうことしか被災者支援はできませんけど。

――でも、被災者限定で高速無料化するんだったら
東北地方の高速道路を割引すれば、観光客も来やすくなるし
そっちの方がよっぽど復興の役に立つんじゃなかろうか？