これを時事ネタとして扱うのも心苦しいのですが
今回のロイヤルウェディング(けっ)でふと思い出した
英文科中退歴女のつぶやきなどなど。

NHKではまだケイトさんですが
日テレではフルネームの「キャサリン」になっていましたね。
まぁ、英和辞書引けば判ることですが
Catherineの短縮形というか通称がKateなだけで
「まさひろ」が「まーくん」、「ゆうき」が「ゆうちゃん」に
なるようなもんです。ただ、英語圏では
「ビル・クリントン(=Willium Jefferson Clinton)」
「トニー・ブレア(= Anthony Charles Lynton Blair)」
など通称が公称として通じることが多いのですが。

さて、晴れて日テレ的に言えば「キャサリン妃」になったわけで
(やば、キャサリンと聞いて友近しか思い浮かばねっ)
そしてゆくゆくは「キャサリン王妃」になるわけですが
今まで英国王室にいた「Queen Catherine」について調べてみると
まず思い出したのが、店主の専門に近いというのもありますが
Catherine of Aragon、あのヘンリ8世の最初の嫁です。
名前のとおり元はスペインのアラゴン王家の姫君、
でも最初はヘンリの兄の妃として嫁いできたはずが
夫を早々と亡くし、なぜかその弟の妻に。
そしてその後の有為転変は知ってる方はご存じのはず
(詳しくは『ブーリン家の姉妹』なんかに出てるかな)
ちなみにヘンリ8世の5・6番目の妃も揃ってCatherine
(Catherine Howard、Catherine Parr)
この当時そんなにキャサリンが多かったのか
それとも王の好みの名前だったのか【笑】

次に辞書でヒットしたのがCatherine of Braganza
定点でネタにしたメリー・モナーク(陽気な王様)
チャールズ2世の妃です。
この王様がもう女好きで、貴賤を問わず愛人をしこたま拵えて
それ以上に庶子も山ほど拵えています。
もちろんみんな爵位を与えているので
今の英国貴族のほとんどが、どこかしらのルートで
この王様(の庶子)につながっているのではないでしょうか。
奇しくもダイアナ元妃もカミラ夫人もどっちも子孫だそうで。
――しかし、チャールズ2世と王妃との間に子は無し。
これは彼女がそういう体質だったのか、それとも……
正妻とはやることやってなかったんじゃねぇか?
ともかく、苦労もしたんじゃないでしょうかねぇ
もしかしたら、政略結婚なんてこんなものだと
最初から投げていたりして。

そして出てきたのがCatherine of Valois
ヘンリ5世の妃、ということはダンナは
シェイクスピアの『ヘンリー4世』でおなじみの
フォルスタッフのお友達のプリンス・ハルだよ!
当然劇にも出てきていますし、それ以上に
英国史上で大きな役割を果たしたのはその後、
夫の死後ウェールズのオーウェン・チューダーと結婚。
(元王妃とその家臣だったから、相当な格差婚だったはず)
その間に生まれたエドモンドの子がヘンリ7世、
つまりチューダー朝のゴッドマザーというわけ。
だったらその7世の子の8世がCatherineという名に惹かれたのも
うなずける……のかな?
ちなみに、だったらヘンリ7世は直接それまでの国王の血を
引いていないじゃないか、という指摘もあるかもしれませんが
王位というのは血筋というより遺産なんですよね。
だからCatherine of Valoisが前々国王の未亡人として
英国王の権利を持っている→その権利を結婚によりオーウェンが継承
(婿養子と思っていただければけっこうかと)
→オーウェンの権利は当然その子エドモンド、孫ヘンリーにも
というわけですね。

もう少し調べればハノーヴァー朝あたり
Queen Catherineがいるのかもしれませんが、
彼女が将来、どのような王妃になるのか。
案外、不人気のチャールズすっ飛ばすんじゃないかという話もあるようだし。

コメント

ドロシーNO2
2011年4月30日1:29

BBCでは「Kait’s Her Royal Highness」と
表示されてます。

ドロシーNO2
2011年4月30日1:49

訂正です。
「Kate Her Royal Highness」でした。

nophoto
2011年4月30日20:22

こんばんはー。
キャサリンは、英語圏ではメジャーな名前ですからね。
時代をさかのぼれば、史上に残された女性が少ない中、
どうしたって登場比率が増えるのは仕方ないでしょう。

余談ですが、亡くなった祖母はヨシと申しましたが、
その祖母を嫁に迎えた亡き祖父の母も、同名・ヨシでした。
歴史好きが講じて先祖を辿ってみたところ、
やっぱり数名の「ヨシ」さんが存在。
お国ごとに名前の流行廃りはあるだろうケド、
こうして見てくと、なかなか親近感が沸いて面白いですよね。(笑)

蛟 游茗
2011年4月30日20:58

>ドロシーNO2さま
あら、Kateで通すんでしょうか。
まぁ、キャサリンっていうのも長いっていえば長ったらしいですし
ケイトという愛称自体もメジャーですしね
(K. ウィンスレットとかK. ブランシェットとか)
これも時代の変化なんでしょうか。

>葵さま
英語圏に限らずメジャーな名前ですしね、Catherine。
もともとは聖女様のお名前(ちょうど4/29が記念日だそうで)
フランスではカトリーヌ、ドイツ語ではカタリナ
ロシア語ではエカテリーナ
世界史の時間に聞いたことがあるような名前ばかり【笑】
ここに出てきた王妃様もみな外国出身ですし。
ちなみに、英国出身の王妃様は現女王のお母様の
故・エリザベス皇太后(『英国王のスピーチ』で
ヘレナ・ボナム・カーターが演じていますね)が
件のキャサリン・パー以来だそうで。
この辺も語り始めると長くなってしまいますが【苦笑】

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