産経の記事にコメつけるのも不本意なんですが
一応、教育で飯食わせてもらっている身としては
ひとこと言わなければ気が済まない。
というのも、店主の教えている生徒には
「社会生活に支障を来す可能性がある」とする成績下位層
も含まれるんでしょうから。

生徒を全員第一志望に押し込むのが至上命題ではありますが
中には、受かった高校を一年以内で辞めてしまうんじゃないかと
心配なヤツもちらほらと。
だとしたら店主の努力はいったい何だったんだorz
そういうヤツに限って、親が止めない。
「辞めたい」と言っても「いーじゃん、辞めな辞めな」と言ってしまう。
子供にタスポ渡しているような親がいるんだから、当然かもしれませんが
早い話がこういう親は学歴の価値を認めていないわけで
さらに親自身も高校中退とかだったりして
結果として、低学歴が低学歴を生む
格差固定社会になってしまうのではないでしょうか。

まだ店主らの世代では、学歴の右肩上がりが成り立っていたような。
中卒の子が高校に進学し、高卒の子が大学に進学する。
身内の恥をさらすようで申しわけないのですが
店主の家庭だって、母は中卒→准看養成所
親父は定時制中退でしたから。
なので高校を卒業したのはおろか
全日制高校に入学したのも我が家で店主が初めてでした。
そんなわけで、階層意識としては
自分は中産階級ではないと思っています。
あくまでワーキングクラス。
もちろん親の世代と今の進学率を一概に比べてはいけませんが
それでも子供たちには自分よりもいい教育を受けさせたい
そんな親心が進学率の向上を支えていたはず。
それがいったいどうなってしまったのか。

そういえば、イギリスでは労働者階級の親は
子供が上の学校に行くのを嫌うそうです。
あの国では階級が違えば話す言葉も違う。
(マイ・フェア・レディの世界ですね)
子供が自分たちと違う言葉を喋りはじめるのが
気持ち悪いというわけ。
日本もどうやらそうなってしまいそうな。
小金持ちはその小金をつぎ込んで子供にいい教育を受けさせ
小金すら無い層は、自分たちがそれで何とかなったからと
勉強したくない子供を容認する。
そうやって格差は固定化していくのでしょうか。

ちょっと話が横にそれますが
90年代初頭まで不良というのはごく限られた一部だったような。
いわゆるツッパリ、ヤンキーと呼ばれる世界ですね。
それが、ちょうどコギャルブームの頃から
(ああ、同世代だ)
不良と普通の子の壁が低くなったというか
一億総不良と化したというか。
昔のツッパリはリーゼントに改造制服、女子はながーいスカート
もちろんそんな格好をしているのはごく少数だったはずが、
店主の世代はみんな当たり前のように制服のスカートを短く折り
足元はやはり校則違反のルーズソックス、髪は茶髪
そんなのがまるで、おとなしめな膝丈から過激なミニに至るまでのように
グラデーションで存在していたわけですから。
店主だって、ルーズにはしませんでしたが
膝下のスカートで針抜きのソックスはいてましたし。
高校生のほとんどが、そんな形で多かれ少なかれ『不良化』してしまった結果
どうなったかというと、『不良的な生き方』が
無視できない社会集団になってしまったような気がします。
街には平日の昼間から十代の少年少女が闊歩し
十代で妊娠して子連れで成人式もそんな驚くようなことではない、
今やキャバ嬢が憧れの職業だっていうんですから。
そして彼らが口を揃えて言うには
学校なんてつまらない、勉強なんて何の役にも立たない
――それでいいんでしょうか、この国は。
そう思うのはインテリ崩れの遠吠えなんでしょうか。

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定点観測upしました。

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