一人称の呪縛

2010年11月20日
サイトを立ち上げて以来、そこでの自分の一人称を
ずっと『店主』に統一してきました。
なぜかというと、できるだけ性差的にニュートラルな表現を
使いたかったからだったと思います。
本当はネカマでもよかったんですけどね【笑】
それに気づいたのは開設してからしばらく経ってのことだったので。

オフでは『あたし』と言っていますが
それをこうしてフォントにしたとき、
耳で聞いた以上に蓮っ葉な感じがしたので止めました。
かといって『私』や『わたし』だと
そんなに自分は女女していないよなぁと。
音のニュアンス的には『わたし』と『あたし』の中間なんですよね。
『わたし』と言おうとしたのに滑舌が悪くて『あたし』になってしまったような。
普段も『私』と言っているつもりで使ってますし、『あたし』って【苦笑】

思えばこの一人称も、25年近く意識して使っています。
というのも、本当は『俺』って言いたかったんですよね。
まーだ保育園の頃でしたが、母の実家が方言的に「オレっ娘」地帯で
普通の女の子のイトコが『オレ』と言っているのを聞いて
憧れたような記憶が。
もちろん、その頃からすでに「女の子らしさ」に違和感を抱いていましたが
『オレ』って言っちゃいけないんだったら
じゃあせめて『あたし』で通そうと、未就学児ながら固く心に決めました。

日本語の一人称ってどうしてもジェンダーを背負ってしまうんですよね。
男と女で使っていい一人称が違う言葉ってのは
日本語以外あまり聞いたことがありませんし。
それに、男でも『俺』を使うか『僕』で通すかという選択もあるでしょうし
女だったら『私』か『あたし』か、その上にさらに
実際にはほとんど使われませんが『あたい』もありますから。
これがさらに表記上『私』と『わたし』、『あたし』と『アタシ』に
細分化されたら、それだけ「ありうべき女らしさ」との距離を
測る物差しになり得ますから。
でも、『私』も『わたし』も『あたし』も
自分としてはどれもしっくりこなかった。
だから、いっそジェンダーを背負わない『店主』の方が
自分を最もよく表していると思えたのでしょう。
今ではすっかり『店主』という一人称が板についてしまいました。
これだと伸び伸びと自分のことを書けるというか。

で、何でそんなことを書いてるかというと
裏ブログの方では一人称を『私』にすることにしたからです。
一応そこは「閉架図書館」ですから『店主』というのもアレですし
『館長』というのもなぁ……そんなに偉くはないですから。
一応表記としては「游茗@司書」とはしていますが。
ということで、『私』は『私』でも男性も使う
社会人のデフォルトとしての『私』のつもりで使うことにしています。
あくまで女性の『わたし』ではないと。
でも、今までそれほど違和感なく『私』という一人称を使えています。
ここの日記以上にシリアスな話を書かざるを得ないことや
女というジェンダーを意識せざるを得ないということもありますが、
ようやく『私』という一人称に向き合えるようになったかと。
おかげでこっちでも『私』で書きそうになってしまったり。
いえいえ、今日のつれづれ含めHard-Luck Cafeでは
あくまで『店主』ですから。

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Web拍手
11/19・22:10のお客さま
ご来店&コメありがとうございますm(_ _)m
定点観測も、最近ネタ練りの時間が足りなくて
使えそうなトピックがあっても賞味期限切れがしょっちゅうです。

……おお、あちらも読まれましたか。
普通の女性だったら取り立てて気にすることなく
過ぎていくはずのステップですが、店主の場合には幸か不幸か
考える時間だけは十二分にあった、それだけですから。
ただ、店主の出発点は「美味しいものがあるなら食べてみたい」ってだけです。
それが口に合うかどうかはもちろん判りませんが……
って何のことかって?それは言えません、ここでは【苦笑】
いえいえ、こっちでもOKですよ。

……あら、そうだったんですかw
夏休み中の誕生日って寂しいものがありますよねぇ。
ということで、これからもよしなに。

コメント

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