作家は皆ファウストである
2010年7月1日
そんなことを考えたことがあります。
結論は意外と簡単に出て、
それは一つでも多くのことを見て、知って、経験すること
なんじゃないのかなぁと。
そういう知識に対する貪欲さっていうのは
店主の行動を一番に突き動かしているものかもしれません。
物を書くことを生き方として選んでるっていうこともあるでしょうし。
書くためには自分が知っている以上のことを知らなければなりませんから
（自分の引出しだけで勝負するっていう人もいるでしょうけど
それは物書きとしての成長を自分で否定しているような気がします）
今自分が書きたいものについての知識はもちろんのこと、
それ以外でも「いつかどこかで何かの役に立つかも」と思えば
吸収しなければならないことはもう膨大にあることに。
――世界中の知識を手に入れることと引き換えに
悪魔に魂を売ったファウスト博士の好奇心が痛いほどよく判ります【泣】
店主だってメフィストフェレスに魂を売り渡しますよ、ええ。
だとしたら、ずっと自分が抱えていた鬱々の正体も
なんとなく判ってきたような。
つまりは嫉妬なんですよね。
自分が知らないことを知っている人への。
だからついつい
「どぉだ、あたしだってこんなことを知ってるんだ。
あなたは知らないでしょうけど」とばかりに
知識をひけらかせたくなる自分がいます。
自分が今一番知りたいことなのに、知ることができない。
本やネットを通じて情報として手に入れることはできても
実際の経験としては一生知ることができない。
そんな自分が知ったふりをしていいのだろうかと。
それはきっと「知らない」ことに対する軽蔑の裏返しなんでしょうね。
設定ミスがあるとそれだけでドラマや小説がつまらなく思えてしまいますから。
だから逆に、自分がそう思われてしまうことが一番怖いのかもしれません。
じゃあどうすればいいのか。
結局知識を、それも経験を積める範囲で積み重ねるしかない。
だからときどき、何かの用事で知らない場所へ行ってみるのも
貴重なロケハンの機会ですし（いろいろ環境的に遠出がしづらいもので）
それ以外にも人生のありとあらゆること即ちネタです。
たとえそれが実生活において瑕以外の何物でもなかったとしても
物書きにとっては貴重な経験そのものなんですから【泣爆】
これもきっと、物書きとしての業なんでしょうね。
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定点観測upしました。
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