もしかして、店主が世の恋愛絶対主義に唾を吐きかけたくなるのは
自分自身の育ってきた環境のせいなのかもしれない。
いっとき、周囲のほぼ総てを敵に回して生きていたので
家族が絶対守備ラインであったし
特に妹は店主にとって親友でもあり恋人――といったら大袈裟か
とにかく他につるむ相手がいないので妹とばっかりつるんでた。
だから優先順位として友達や恋人――なんてものはいた試しがなかったが――か
妹をとるかと迫られたとき、何の疑いもなく妹を取っただろう。
他の兄弟持ちには信じられない話かもしれないでしょうけど
きっと彼らなら信じてくれるはず、間宮兄弟なら。

見ていてとにかく羨ましかった。
30過ぎても互いに女っ気のない兄弟二人暮らしという彼らに
見ていて親近感がびしびし感じられました。
こういうマニアックな生き方(≠マニアな生き方)してると
ときどき世間から浮いている自分が孤独に感じられてしまうものですが、
でもこうしてそんな生き方を理解し、さらにそれを共有してくれる
同志がいるってことで、それでいいんだと思えてくるもの。
好きな本に囲まれて生活したり、
一緒に(スコアブックつけながらだけど)野球を応援したり、映画を見たり
寝る前に二人で一日の反省会をしたり、それら総て
妹が生きていたらやりたかったことでした。
そういや「メシさえ作ってくれれば掃除洗濯やるから!」と
二人暮しを持ちかけたこともありましたっけ。
もっとも、妹は真っ当な常識人でしたし
店主も彼女が健在だったら今のようなヲタの道に入ってなかったかもしれません。
でも夢想せずにはいられないのです、
「あんた『さらばハードボイルドシティー』がCHの最終回って言ってたけど
それって最終回でもなんでもなかったじゃん!」と
言い合えたかもしれなかった可能性を。

結局、彼らの女っ気0脱出プロジェクトは失敗に終わってしまうんですが
それが不幸な結果だとは個人的には思いたくないのです。
兄弟二人で何も曲げることなく、マイペースで生きていくことこそが
彼らにとって幸福なんでしょう。
誰しも恋愛が一番大切だとは限らないのですから。

あーあ、こんな店主の妹代わりになってくれるルームメイトがいないかなぁ【笑】

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