今日をもちまして店主のフォローしていた7-9月期のドラマが
全部最終回を迎えましたので、まとめてレヴュー(という名のツッコミ:笑)
やっぱり一番突っ込みたいのは『Tomorrow~日はまた昇る』でしたね。
確かに夕張ショックの後、危機を迎えつつある地域医療に焦点を当てたという
社会派な問題意識は高く買います。しかしその問題を判りやすく伝えようとするあまり
物事を単純化しすぎてしまい、結果として現実と乖離してしまったんじゃないでしょうか?
このことについてはMサマとメールで詳しくやり取りしていましたが
あれを現実と思ってしまわれたのではあまりにもお粗末。
地域医療という、我々に最も身近な医療現場だからこそ
リアリティを追求してほしかったです。一番ウソがばれやすいわけですから。

それと、医療ドラマフリークとしてのツッコミのみならず
物語を書くという立場の端くれとしても言いたいことが山のようにありました。
展開がご都合主義とお約束に走りすぎだし、カット割りはベタだし
何よりまず伏線の張り方があまりにもお粗末でした。
ドラマの前半、森山先生(竹之内豊)の過去の医療ミスをめぐる愛子(菅野美穂)との葛藤という縦糸がうまく一話完結形式のドラマをつないでましたが、
それが解決してしまったとたんに一話ずつが場当たり的になってしまったような。
地域の中核病院の閉鎖という問題において地元の開業医も利害関係者として決して小さくない存在であるにもかかわらず、その問題が語られたのは最終回1話前でしたし、
その最終回でいきなり院長が「昔は救急救命の鬼と呼ばれたんだ」ときたときには笑ってしまいました【爆】そんな設定があるんだったら、せめて終盤近くなったら徐々に能ある鷹の爪を見せていくものだと思うんですが。
そもそも森山先生の医療ミスが、実は教授のミスをひっかぶったというのが気にくわない。やっぱり主人公はモラル的に非の打ちどころがあってはならないんでしょうか?むしろそっちの方がキャラにも深みが出たと思うんですけどね、愛子との関係性においても。同じような設定の『Dr.コトー診療所』だって一応は責められるべき立場にあったわけですから。昨今とやかく批判の集まるコミック実写化ですが、オリジナル脚本がマンガに負けてどうする【爆】

伏線という点で多少は爪の垢を煎じてもらいたかったですね、『ゴンゾウ』の。
前半の「トラブルは一件落着、されど捜査は進まず」の繰り返しは最終回の黒木(内野聖陽)の「世界は愛であふれている」につなげるためだったんですね。
内野さんのあのぼけぼけとマジのギャップのみならず、大真面目なときほどの気の抜け方が好きでした。
予告で「ありゃ殉職エンディングか」と思いましたが、生きててよかった。
でも、予告を含めた映像的レッドへリングなのは判りますが、いったい首のどの血管をどうしたらあれほど派手に血が噴き出て、それでも一命を取り留められるんでしょうか?

『Tomorrow』の敗因の一つがあまりにも視聴者に身近な、それゆえ鉄板のリアリティが要求される地域医療を題材にしてしまったことなら、自ずと『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命』の勝因は一般にはなかなか縁遠い救命医療、それも普及途上のドクターヘリを題材に選んだことではないでしょうか。
とはいえ、あまりにも山P目立ちすぎ!
やはりMサマのメールにあったんですが、彼を格好よく描くためだけのドラマだったような気がします。キャラクター配置的にはどうみても若きフライトドクターの卵たちの群像劇のはずだったのに、最初から彼だけにスポットライトを当てるのであれば、そういうスターシステムのドラマにすればよかったのに。
そんな中、店主が『陰の主役』としてひそかに応援していたのは藤川くん。
お調子者でウワサ好き、電気ショックで心臓麻痺しちゃうようなおっちょこちょいで、フライトドクターのフェローのくせに最終回までヘリに乗れなかった彼。
どこからどう見ても若手アイドルの引き立て役、しかも男子のもう一人がジャニーズというだけでコメディリリーフ決定なんですが、演じる浅利陽介くんは子役としてのキャリアがとても長いんですよね。大河にも主役の少年時代で出てたりして。そんな彼が大人の俳優として、こうしてアイドル相手に堂々と(?)渡り合ったというのは子供の時から知ってる店主としては、まるで親戚のおねーさんのように嬉しかったです。
しかもバイプレーヤーとしていい味出してたし、若手でここまで味が出せるのはそうそういませんので、今後が楽しみです。

=====================================

今クール見てきたドラマの共通点は、敢えて言うとすれば
色恋展開に走らなかったことが挙げられるでしょうか。
先シーズン結局見てた『CHANGE』に不満が残ったのはやはりこの点。
それが月9という枠の限界なのでしょうか?
そもそも店主がハマったネタはドラマ以外でも、恋愛展開は匂わせるものの
そっちは敢えてドラマの外で、ファンの妄想にお任せするというものばかりのような。
CHはそんな中でもラストは怒涛の色恋展開でしたが、あれだって
最終回でようやくスタートラインというところで、二人のラヴストーリーとしては
物語が終わった後から、という感じじゃなかったでしょうか。
そういう意味では、いずれもドラマはまだ終わっていないのかもしれません。

定点観測、こっそり更新です。

コメント

nophoto
みみこ
2008年9月12日21:07

メールの送り主Mです。(笑)

『コード・ブルー』 最終回を見逃してしまいました。 藤川くんは、ヘリに乗れないまま終わってしまったんですね。
山P以外の若者4人の中では唯一、存在感があったのが藤川くんだったな‥‥と。
でも、フェローとはいえ、5人の年齢が若すぎて、どうしても違和感が拭えませんでした。


『Tomorrow』は、あの結末だと、まるで、病院をオープン型にすることが、病院の赤字が解消し再建につながる、と言ってるようなものですが‥‥、オープン型病院って、そんなに収入になるとは思えないんですけど‥‥
最後の最後までツッコミが絶えないドラマでした。(笑)

LOVEに関しては、『Tomorrow』ファンの間では、森山先生×田中ナース 、森山先生×遠藤先生 の二つに分かれるそうですが、うーん、どうでしょう。


蛟 游茗
2008年9月12日23:21

>『コード・ブルー』
あ、自分の書き方がまずかったですね(^^;)
藤川くんは最終回でようやくヘリに乗れました。
極論してしまえば華さえあれば大根でも主役は張れますが、バイプレーヤー、
特にコメディリリーフはそれなりの演技力が必要とされますからね。
浅利くんの今後が楽しみです。
でも、ただ年齢が若いっていうより、重みが無かったんだよなぁ役者としての・・・

>『Tomorrow』
病院運営については門外漢なので結末については何とも言えませんでしたが
ただ、思いだしたように開業医というファクターを持ってきたことに違和感を感じてしまいました。
終盤になるにつれて、そういう取ってつけたような展開が増えてきたのがやたらと目につきました。
LOVEはねぇ・・・店主は王道(?)の森山先生×愛子派ですね【笑】

日記内を検索