『風林火山』総括

とうとう今週をもちまして『風林火山』無事完結いたしました。
こうして大河ドラマを一年間見通したのは・・・おそらく『北条時宗』以来？あれは渡部さん目当てで見てましたが、あれを真面目に見ていたとは思いだすにも恥ずかしい【爆】お兄ちゃん赤マフラーだし、主役は後にワイドショーの晒し者と化すし、でも渡辺謙さまは渋かった！まだ本格的に謙さまに転ぶ前でしたが。
その後はキャスティングのトレンディドラマ化路線に泣き、
いや、確かに大河ドラマには民放ではできない豪華キャストという売りもありますが
あまりにキャストの人気に流されて大河らしさを失ってしまうのもどうかと・・・
『独眼竜政宗』総集編で「大河ドラマはやっぱりこうだろ！」との思いを新たにしつつもなかなか現実はそうはいかず、そういや『武蔵』も途中で投げ出しちゃったもんなぁ　『バガボンド』が当たってるから、という狙いが見え見えの企画だったし
そんな中で久々に大河ドラマらしい大河ドラマだったのがこの『風林火山』だったのではないでしょうか。幕末でも三傑がらみでもない、というのも店主が見ようと思った大きな理由でしたし　大河といったらこの二つばっかりなんだもん

今までさんざん店主を悩ましてきたキャスティングも、今回は実力派ぞろい。
もちろん田辺誠一や谷原章介といったTVでも名の売れた俳優が顔を出してますが、そんなのはほとんどアリバイといった感じでむしろ中心を占めるのは渋いおっさん揃い。もちろん主役の内野さんの年齢、キャリアに合わせて、ということもあるかもしれませんが、それにしても近年稀に見る華の無い大河だったのではないでしょうか【笑】
地味といえばメインキャストにあまりテレビなどでは名の知られていない俳優さんが多かったのも今回の特色じゃないでしょうか。しかし彼らも主に舞台などで充分なキャリアを積んできた実力の持ち主、そしてこの『風林火山』が名前を売るためのショーケースとなったはず。最近やたらとテレビで伝兵衛やんを見るような気がしますし【笑】
店主として個人的にうれしいのがこれをきっかけに高橋一生さんがブレイク寸前にまで来てること。『相棒』で小日向文世（『風林火山』では諏訪頼重ですね）に毒されてシリアルキラーとなってしまう精神科医を演じ、セクロボ幻の第7話にも出ていたという店主と何かと縁のある役者さんですが、大河出演者がそろそろ民放に戻ってくる秋ドラマで『医龍2』にいい役で出演しているのを見てると、それ以前から知っている店主はまるで田舎のおばちゃんのような気分で感無量です【笑】
それに、最近の大河ではほんの1〜2回しか出てこないゲストキャラとでもいうべき出演者もいますが、イロモノから演技派まで様々な俳優さんが顔を出してくれて、ある意味それも大河ならでの豪華さでした。
こういう派手さは無いが地味な演技派というシフトは何も大河ドラマに限ったことではなく、最近やたら『相棒』が熱いのもこの辺と関連があるような。

このように大河ドラマといえば、テレビ中心の俳優から舞台役者、さらには伝統芸能と様々なバックグラウンドを持つ俳優陣が一度に集まるめったにない機会ですが、そのバックグラウンドに今回『大衆演劇』というジャンルが加わったんじゃないでしょうか。
武田、今川と肩を並べる東海の雄・北条氏康を演じたのは松井誠。あの雄々しい戦国大名ぶりは、彼が「動く博多人形」の異名をとる女形であるのを忘れるくらい。そしてその嫡男は「流し眼王子」こと早乙女太一、ということで大衆演劇つながり！と思った視聴者も多いはず。
そして忘れてはならない信玄の弟・信繁を演じた嘉島典俊、実は元「チビ玉」なんですよ。いやぁ、ずいぶん大きくなったなぁ。そういや兄上の亀治郎丈も女形。皆さん立派な戦国武将ですが意外と女形率の高い大河でした【笑】

そんなわけで一年間あるべき大河の姿に酔いしれられた『風林火山』でしたが
今日の最終回で一番嬉しかったのは、最後の締めがミツやんのあの台詞だったこと。
「うらには見えるだ、勘助の中に咲いてる白い花が」
どのくらい嬉しかったかというと、AH最終話で一番最後に槇兄が出てきたときぐらい・・・ってあまり具体的とは言えませんね【爆】
思えば『風林火山』にハマったのもまずは勘助×ミツに萌えたからこそ。貫地谷しほりもかわいかったし。とはいえ、彼女は最初から死ぬことの決まってたキャラクター。その後はカップリングが×由布姫にシフトしていった後も、懸命にミツやんの痕跡を追い求めてそれで萌えられたんです。
彼女は原作では出てこない人物であり、その中では勘助×由布姫のシラノ的純愛があくまでメインだったわけですが、それでもドラマでは最後の最後は勘×ミツで本当に良かった。これで1年間ミツが全く触れられない間も見ていた苦労が報われるというもの。脚本の大森氏はじめスタッフがどれだけこんな邪道なファンのことを考えてくれたかどうかはわかりませんが、心よりお礼が言いたい。お迎えが姫じゃなくて本当に良かった。

しかし、店主の中では『風林火山』はまだ終わってません。
再来年の大河は敵方・上杉のやはり重臣である直江兼続が主人公なんですから。
ということは上杉家中を中心に登場人物がかぶるということ。このようなことは幕末や三傑がらみを除けば滅多に無いんじゃないでしょうか。まずガックンは無理でしょうけど、『風林火山』から何人か引き続いて出演してくれる、というサービスは無いでしょうかねぇ【笑】
『篤姫』？たぶん見ないでしょう。主役の年齢に合わせて、ということもあるでしょうがまた民放から俳優陣かっさらってきたようなキャスティングには興味がありませんし、どうせ民放の『大奥』がヒットしたから、という二番煎じが見え見え。
だったら『風林火山』を引きずったまま『天地人』に臨みたいと思います。主役誰だろ、ひそかに最近のNHKへの出演っぷりからして山本耕史と踏んでますが【爆】