本屋で手にとってみて「読んでみよっかな」と思ったけど、実際買ってまで読むほどのものじゃないなと。で、地元の図書館で見つけたんだけど何も言わずにそれを母が借りてきた。何たる偶然、これぞ母娘のテレパシー!

やっぱり最近は『殺し屋』なんて設定についつい敏感に反応してしまいます。そしてこの主人公は店主が最近違和感を覚える、人を撃つことに対してなんの引っかかりも感じないヴァイオレンスな殺し屋ではなく、「フィッツジェラルドを愛するセンチメンタルな殺し屋」という点に心惹かれた。その彼が銃爪を引くその瞬間までうだうだと迷い、一仕事終えてからもうだうだと悩む。やっぱりそういう人間味がなければ読んでいて心からその世界に入り込めない。

また、彼の表の顔が大学の文学部(おそらくは英文科)の助手という点にも大いに共感を覚えてしまいました。実は店主もアカデミック・アシスタントということで研究室のバイトしてるんですよ。明日も仕事なんですが。そんな身近な日常がハードボイルド・ワンダーランドとつながってると思うとちょっとわくわくしてしまいますね。
だから「セオドア・ドライサー」なんてアメリカ文学史でしか聞かない名前にも余人では感じないだろうリアリティを嗅ぎ取ってしまいます。
店主はイギリスですが、知り合いはほとんどアメ文なんで。そういや店主が卒論のとき、『華麗なるギャツビー』の当たり年で5人ぐらい卒論で書いてたっけ。
だとしたら「シェイクスピアをこよなく愛する殺し屋」なんてのもアリかも。生没年からして「ヒトゴロシ、イロイロ(1564-1616)」ですから。店主にしか書けそうにないネタだな【笑】

そうそう、ハードボイルドらしくカクテルが各話でいい小道具となってますが
CHでおなじみの“あの”カクテルもありましたよ♪

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