トヨタブランドのスポーツ車に幕・「MR−S」生産中止へ [日経新聞]

2006年11月20日時事ニュース

スープラが消えセリカが消え、そしてホンダからはインテグラが消え、スポーツカー冬の時代ですね。日産ではフェアレディZ、スカイラインGTなどがまだがんばってますが、それでもシルビアが廃版になってしまいましたから。
さほどクルマには詳しくない店主ですが（愛車は中古のトゥデイくん）やっぱり寂しいです。だってスポーツカーほど『キャラの立った』車種はないですから。
店主はモノを書く際に小道具にこだわるというか、誰が何を使っているかということに結構キャラクターを投影させています。つまりはモノにキャラクターを語らせるんですが、その一番手っ取り早いモノが自動車なのです。
こういうこだわりの背景にはやっぱりもしかしたらCHがあるのかもしれませんが
（あのストーリー、あのキャラクターに赤いミニクーパーというのは印象に残りますよね）
今もオリジナル書くときなど、中古車雑誌開きながら「このキャラにはこのクルマが似合いそうだな」などと考えてます。
そんな中でもスポーツカーという車種はかなりキャラクターの個性を反映しますよね。ええ格好しいで堅実さとは無縁、しかし（主人公なら）決めるときは決める、という性格がその選択ににじみ出ますし、実際アクションテイストなネタならそのいい相棒たりえます。それがセリカかシルビアかインテグラかはそのキャラの財布の具合と店主の気まぐれ次第なんですが。
しかし、最近若者に人気なミニバンやRVなんかじゃ結構薄っぺらなキャラクターしか思い浮かばないような気がするんですよね。想像してみても絵的にカッコよくないですし。
確かに堅実結構、実用性大いに結構。でもクルマにはそれだけじゃない何かがあるはず、とロクに実物にこだわりもしない店主が言うことじゃないかもしれませんが。

同じように『小道具としてのクルマ』を考える上でもう一言申し上げたいのは、昨今の車種の再編でどんどん歴史あるブランドが消えていっているのは如何かと思いますが。
そのブランドには誕生以来積み重ねられたイメージというものがあるはず。
そのイメージというのは決してメーカー側が広告などを通してこちら側に提示するものではなく、むしろこちら側が実際のそのクルマとドライバーを通して、ときにはメディアでの使われ方などから構築していった産物のこと。
もちろん、消えたブランドは新たなブランドに継承されていくものですが、果たしてブランドイメージまで一緒に継承されているかははなはだ疑わしいもの。
例えばセドリック・グロリアはその名前が消えてしまいましたが、日産の高級セダンというラインは現在ティアナに受け継がれている、ということになってますが、ではティアナのイメージは？というとまだまだ白紙な部分が多いところ。つまりはセド・グロが誕生以来築き上げてきたイメージもまたいったん白紙に戻ってしまったということ。
こんな薄っぺらなクルマにおいそれとキャラクターを乗せられません。結局それではキャラの個性を何も語ってないのと同じことですから。
メーカーサイドも単に車種をリストラしてしまうのではなく、その歴史を大事にしてほしいものです。