そのとき、歴史は動かなかった

2006年6月30日映画

久々に映画レヴューです。

突然ですが、店主、いわゆる『歴史ifもの』というのは結構好きです。
よく新書版のノベルスで、表紙にイカツイ甲冑姿のオッサンが載っているやつです。その手の本のほとんどはまっとうな歴史小説ではなくその手のif本です。
といっても店主の場合、読むのは主役が『殿』こと伊達政宗公onlyなのですが。
つまりお気に入りの戦国大名に天下を取らせて上げたいというファン心理。
そんなわけで実際if小説のプロットまで考えてみたり、
その情熱がCHに流れた今となっても、「もしも槇兄が死んでなかったら」なんていうファン心理以外の何ものでもないパラレルを書いてる店主ですが
そんなパラレル魂をちょっと考えさせられてしまった映画でした。

タイムスリップして、信長になってしまった的場一佐の目論見なんてまさに歴史ifもののドラマツルギー。つまりもう一つのありえたかもしれない現在を追い求める立場。
一方、鹿島の立場はあくまで自分たちの歴史を守り通すというもの。
そういえば公開時にどこかの雑誌で書いてあったが、
このキャラクターポジションってP2っぽい。なんとなく。
いや、店主が強固に「パト実写化なら南雲しのぶ＝鈴木京香」を主張してるからってだけじゃないけど
でも京香さん演じる神崎二尉が的場に銃を向けながらも銃爪が引けないとこなんて
P2の運河のシーン思い出してしまったもの。
と言いつつも最後の的場と鹿島の対決のところはCHの撩vs海原になってしまった。
上官と部下というよりおそらくは擬似父子関係を髣髴とさせる年齢差だし
死の間際に的場が信長ではなく元の彼自身に回心したように見えるのもそうっぽい。
止めを刺したのは撩＝鹿島だけど、そのきっかけを作ったのは香＝神崎だったというのも同じ。
しかも敵は死んだが時限爆弾は止まらないというシチュエーションも一緒。
といってもこれら総てベタな展開といえばベタ過ぎるんだよね。CHもこれも。

歴史マニアとしては結構突っ込みどころ満載でした。
いくら同盟相手とはいえ、斎藤道三本人がのこのこ前線まで出てくるだろうか、とか
濃姫の本名は帰蝶だろ！とか。（濃州＝美濃の姫君だから『濃姫』）

ちなみに母はこの映画を『戦国自衛隊』の純粋なリメイクだと思ってたらしい。
でも『戦国自衛隊』って『戦国時代』＋『自衛隊』ならいつの時代でも別にいいんだよね。TV版では関が原の合戦にタイムスリップしてたし。
TV版放送前には予告CMの神谷さんの声聞きたさに日テレ見まくってたのはいい思い出。