参考文献・その1

2005年6月19日 読書
さて、いざキリスト教的ネタを書こうと思ってもなかなか資料が見つからないということは
仏教国・ニッポンでは起こりうる事態。
ましてや保育園から大学院まで公教育しか受けたことのない店主にとってはまったくの別世界。
そりゃ、年に一,二回は電車に乗っててお坊さんを見かけることはあっても
神父さん(or牧師さん)を見かけたことは・・・一度もない。
(もしかしたら平服着てるんでそうと判らなかっただけかも)
それだったらまだ仏教や神道の方が、なじみは薄いといっても良く知っている。袈裟のつくりも何となく判るし。

しかし、そんな素人が何を頼るかというと・・・
ネットだと情報が膨大かつマニアックなので、ある程度本などで基礎知識をつけないとヤバい。
しかし本はというと・・・
お坊さんや神職さんの書いたエッセイというのがよく大きめの本屋の宗教本コーナーの片隅にありますが、あの手の本は普段我々と縁のない方々がどうやってその道に進んだのか、日ごろどんな生活を送っているのかが面白くよく判る。
しかし、キリスト教本の棚にあるのはマニアックな専門書か
行間から「信じるものは救われる」と読者にささやきかける本ばかり。
これではあからさまに興味本位の店主としてはばたんと閉じてしまいたくなる。
確かにキリスト教系の出版社って宗派ごとに結構あるようですから。まるで第○文明社か聖○新聞社【爆】

ってわけでこの本、『知って役立つキリスト教大研究
やはり店主のような「興味本位」で書かれたものなので【失礼っ】布教臭がなく読みやすい。
こういう場合、教義だなんだというよりまずカタチから入りたいもの。教義についてはそれこそ本職の方が迷える子羊を導くために書いておられる本がたくさんありますが、この手の本はまずなかった。
しかもイラストが豊富なので、イラスト描きたい人にはオススメです。『働く男の制○図鑑』より詳しく載ってます【笑】

もちろん、ちゃんと教義についても一通りは載ってるんで
初期教会からの伝統と格式を誇る東方正教会(ロシア正教会/ギリシャ正教会)から、最近バカブッシュとともにやたらと元気のいい福音派まできちんと網羅。
読んで見えてくるのはキリスト教及びそれを背景とした欧米文化の奥の深さ
『人種のるつぼ』であると同時に『宗教のるつぼ』でもあるアメリカは特に。
何の宗派を信じているかがそのまま同性愛や妊娠中絶といった政治的問題に対するスタンスに跳ね返ってくる。
日本だったら「ウチは天台宗だから自民党支持」なんてことはないもんね。
そんなわけだから信仰は家庭レベルというよりむしろ個人的なものだともいえる。
19世紀の女性詩人エミリー・ディキンソンは信仰復興運動の中、家族が洗礼を受けたにもかかわらず
彼女自身は拒み続けたという。

また、宗派の違いが階層的な違いをも表すので、成功の階段をステップアップするにつれて改宗、なんてこともありうる。
ま、『葬式仏教徒』には想像もつかない話。

簡単な教会暦や、知りたくてもなかなか知れなかった牧師さんやシスターの生活についてのインタビューもあるので
いざ教会を舞台に話を書くといったときに必ず壁にブチ当たるであろう『信仰生活』のディテールを描く際には必ず重宝する一冊になるであろう。
聖書トイレに流せても、これだけは流せません!【不適切?】

それ以前に『キリスト教の本』(学研:ブックス・エソテリカ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4056012490/qid=1119364743/sr=1-9/ref=sr_1_10_9/250-0918365-9170641
も買いましたが、これは少々マニアック・・・『MU』の版元だからなぁ。

とりあえず、信心はないが好奇心は満たしたいというお方にはオススメの一冊です。

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